マークレビン監督、原題”Little Manhattan”、邦題『小さな恋のものがたり』、制作国:アメリカ、2005年を見ました。Amazonプライムビデオに、たくさんの映画が並ぶ中、なぜ今、この映画にたどり着いたかというと、ここのところしばらく、ずっとアメリカのドラマ”SUITS”にはまって、何度も繰り返し見ていることが影響しています。”SUITS”はニューヨークを舞台にした弁護士事務所で働く人たちの人間模様を描いたドラマですが、とにかく登場人物や、彼らのセリフ、生活スタイルがとても新鮮で、刺激にあふれ、一つ一つのセリフを覚えたいぐらいのめりこんでしまっていることと、映し出される「大都会ニューヨーク」ってどんな街なんだろう?という好奇心がつのって、キーワード「マンハッタン」で検索した結果、引っかかってきた映画の一つが、”Little Manhattan”だった、というわけです。
“SUITS”をみて、ニューヨークに憧れ、ミーハー心をくすぐられてニューヨークについてもっと知りたい!と思ってたどり着いた映画なのですが、期待していた通りの、ニューヨークの素敵な場所についての情報がたくさんあり、子供の目を通した描写と、10歳のゲイブ君の11歳のローズマリーちゃんへの恋模様に、終始「むずきゅん」で、とても素敵な映画でした。
日本よりもこどもたちが「小さな大人」の印象
ゲイブ君やローズマリーちゃんを見て、感じたことをひとことで言うと「ませた子供」という表現になるのでしょうけど、ニューヨークの小学生の生活模様は、大人のそれに近しいものがあるというか、自分の子供時代の記憶をたどったときに、もっと「大人の世界」と「子供の世界」は分断されていたような気がすると思いました。家の電話を使って、友達の家に「電話をする」ということも、(昔のこと過ぎて、自分の記憶があてにならないかもしれないけど)家で特にすることもなく時間があるから友達に電話する、という感じではなく、もっとなんか、「特別な連絡事項を伝達するときに」限ってしてたような気がします。
ゲイブ君のパパの新しい家を探してあげるという名目で、新聞広告を見たり、広告を出している不動産屋さんに内見のアポを取って、子供二人で内見しに行くというくだりも、物語として書かれているのでしょうけど、ひょっとしたら本当にあり得るのかもな、と思いました。
共通しているところもいくつか
自分の知っている子供時代と比べて、大人びているなと思うところもたくさんありましたが、やっぱり「あぁ、この辺はとてもよく似ているな」と思うところもありました。まずは、キックボードがあれば世界中どこにでも行けると思っている感じ!日本でいうと、自転車ですよね。両親と決めた「外で遊ぶときに行ってもいい領域」が自分にとっての「世界」で、世界の中には、お気に入りの公園や、お菓子屋さん、文房具屋さんなど、自分の生活に必要なものはだいたいそろっていて、それらのどこに行くにも最強で最適な乗り物が自分にはある。おそらく、気分は「無敵」なんだろうなと思いました。
でも、自分にはかなわない天敵がいる・・・。同級生で体の大きい、けんかの強いヤツがいて、目が合うといいことがないから、できる限りかかわりたくない・・・、でもいつかヤツをぎゃふんといわせてやりたい、と思いながら、おけいこごとの空手の練習を頑張る、といったようなところとか、セントラルパークから周辺の高層ビルを見ながら、そのビルの一部が、頭の中で海賊船になって空を飛んでいくところとか。いろんな空想を膨らませて、その空想の中で思いを巡らせるのが楽しいことなんだよなーとか、知らず知らずの間に、童心を思い出させてくれて、ゲイブ君と同じ年のころの自分を思い出させてくれました。
2005年の10歳は、今どんな大人になったんだろう
2005年にゲイブ君は10歳の設定だったので、それから15年ぐらいたった今、どんな大人になったんだろう、ローズマリーちゃんはどんな素敵な女性になったんだろう、とふと思いました。この気持ちを次の映画の選択に使おうと思います。大学生ぐらいをテーマにした、できればニューヨークが舞台になっているドラマや映画があるかどうか、探してみようと思います。制昨年はできれば2010年台がいいな、と思いますがそんなにうまいこと見つかるかな(笑)そして、さらに10歳ぐらい年上の大人たちが、”SUITS”に出てくる弁護士たちかと思うと、どんどんつながっていって、とてもワクワクします。海外旅行ができる日が早く戻ってくることを祈りつつ、次のニューヨーク映画を楽しみたいと思います。